今までで一番美味しいかったステーキ
今までの人生でステーキを食べたことは何度もありますが、一番美味しかったのは大学の合格祝いに連れて行ってもらったステーキハウスで食べた、そのお店で一番高いステーキですね。安いコースでも数千円は当たり前で、僕が食べたコースは数万円もする最高級のものでした。両親は決して金持ちというわけじゃないと思うんですけど、その日は「一番高いやつを頼め」と言ってくれて、嬉しいながらも少し申し訳なく感じながら頼んだ記憶があります。
出てくる料理は全て素材のいい物で、量も多かったです。割と大飯食らいの僕ですが、もう何も食べられないと思うくらいのボリュームがありました。
そして何より、お肉の柔らかさとうまさ、ジューシーさがすごかったです。テレビでしか見たことのないようなもので、しっかり焼いてあるのにすごく柔らかいんです。肉厚で味も濃厚でしたし、僕がこれまでに食べたステーキの中で、絶対に一番美味しかったと断言できます。そりゃ数万円もするコースだしなぁと、一人で納得していました。
僕は舌が肥えているわけではないのですが、あのお肉は相当にいいものであると、一口食べた瞬間わかりました。焼いてくれたシェフがしっかりとした腕を持っていたから余計にでしょう。お肉そのものの良さに、シェフの腕や味付け、その他の副菜やそれまでのコースの流れなど、色々な要素が嚙み合わさって、更に美味しく感じたのもありそうです。
僕も今では就職し、三年程経ちました。貯金もだいぶ貯まってきましたし、一人暮らしにも余裕が出てきました。そろそろ両親に、今まで育ててくれたお礼として今度は僕が、あのステーキをご馳走してあげたいです。