大改造された軽自動車から出てきたのは

先日、中古で軽自動車を購入しました。この地方は自動車がなくては不便なので、1人1台と言っても良いくらいに皆がマイカーを持っているのですが、私は今まで兄の自動車を借りていました。社会人になりそれでは不便な場面も出てくるようになってきたので、働き始めてから少しずつ貯めてきたお金をもとに、車を購入することにしたのです。私の購入した軽自動車は走行距離も少なく、なかなか程度の良い自動車でしたが、色が小豆色だったためか、思いがけず安価で購入することができました。その分費用も浮いたことですし、自動車を自分仕様にカスタマイズしようと、兄の知り合いの自動車工場に持ち込んだのです。改造は、兄や兄の知り合いの自動車工場の人と色々相談して、外装色をそのまま活かして、内部を乙女チックに変えることになりました。

兄の知り合いなので相場よりかなりお安く、また、最短の納期で仕上げてもらえることになり、私は大喜びで、毎日楽しみにして待っていました。数日後、全て終了し車を取りに来るよう連絡をもらうと、その日に取りに行ったのは言うまでもありません。営業時間が終わるギリギリくらいの時間に兄と一緒に兄の車で工場にかけつけた私は、ピカピカに磨き上げられたボディの外装色に似合う、ロマンチックな内装に大改造されたマイカーと再会を果たしました。私の表情を見て満足げな笑顔を浮かべた工場長は、一瞬思いだしたという顔に変わってから、小さなケースを私に渡してきました。改造の途中でシートと背もたれの境目に挟まっていたという、小さなメガネでした。

恐らく車の前のオーナーの物かと思われました。すぐに販売店に連絡して、届けてあげることにしました。